第46回茨城県新人演奏会
- 期日:2020年11月29日
- 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
演奏者
公開オーディション合格者16名
村上 さくら (クラリネット)、若井 由梨 (ピアノ)、柏﨑 優太 (オーボエ)、鈴木 望 (メゾ・ソプラノ)、大川 遥 (クラリネット)、西尾 園加 (ピアノ)、北島 勇人 (サクソフォン)、大塚 季 (ホルン)、江川 紗英 (箏)、田 かなえ (クラリネット)、小仁所 良一 (バリトン)、金久保 彩佳 (ピアノ)、一條 翠葉 (メゾ・ソプラノ)、野口 わかな (ヴァイオリン)、遠藤 史歩子 (ピアノ)
受賞者
茨城県新人賞
野口 わかな (ヴァイオリン)
一條 翠葉 (メゾ・ソプラノ)
奨励賞
大川 遥 (クラリネット)
聴衆賞
大川 遥(クラリネット ※奨励賞)
講評 (茨城県新人演奏会選考委員長 牧野英一)
茨城県新人賞:野口 わかな
イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 作品27
曲頭、歌劇のレスタティーヴォを思わせるカデンツァ風メロディーは、歌い方間の取り方が巧妙でした。ノン・ビブラートの重音奏法も変化に富んでおり、緊張感を保持しこの難曲を見事に弾き切り、聴衆の心を惹き付けた。
茨城県新人賞:一條 翠葉
R.シュトラウス/歌劇《ナクソス島のアリアドネ》より“さあ、仲直りしましょう”
マスネ/歌劇《ウェルテル》より“ヴェルテル…”
豊かな声量と艶のある歌声と言葉1つ1つ丁寧に表現し、聴き手を一気に魅了し歌劇の世界へと誘った。
奨励賞:大川 遥
リーツ/クラリネット協奏曲 ト短調 作品29 第1・3楽章
高い技術力と小節ごとに変わる細かいリズムに対し、音色の変化を付けて丁寧にまとめていた。今後、強弱の対比・力強さなどが加わると説得力が更に増すと感じた。
第47回茨城県新人演奏会
- 期日:2021年9月26日
- 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
演奏者
公開オーディション合格者16名
柿長 飛鳥(ソプラノ)、塙 光帆(ピアノ)、髙野 真美(ピアノ)、内山 恭子(ヴァイオリン)、鈴木 彩夏(ソプラノ)、小礒 美希(クラリネット)、樋口 景子(尺八)、鈴木 貴之(和太鼓)、関川 咲紀(マリンバ)、西山 ひかる(オーボエ)、宍戸 茉莉衣(ソプラノ)、芝田 奈々(ピアノ)、小林 日和(ヴァイオリン)、矢口 真由美(ソプラノ)、中島 理子(クラリネット)、伊野 なるみ(ピアノ)
受賞者
茨城県新人賞
矢口 真由美(ソプラノ)
西山 ひかる(オーボエ)
奨励賞
鈴木 貴之(和太鼓)
聴衆賞
無観客実施のため選出なし
講評 (茨城県新人演奏会選考委員副委員長 兼氏規雄)
茨城県新人賞:矢口 真由美
ドニゼッティ/歌劇「アンナ・ボレーナ」より“わたしの生まれたあのお城”
低音のみならず高音まで柔らかい歌声を保ち、しかも声量が豊かなので、全体として統一感が あり聴き映えのする音楽に仕上がっていた。難曲にもかかわらず余裕のある演奏で、高い芸術 性と技術力を感じた。
茨城県新人賞:西山 ひかる
ジョリヴェ/セレナーデ 第1・2楽章
20世紀の技巧的な作品だが、最後まで安定感があり、音一つ一つを丁寧に演奏していた。丁寧さのあまり音楽が停滞する場面もあったが、美しい音色と正確な音程はそれを補って余りある演奏だった。
奨励賞:鈴木 貴之
鈴木貴之(自作曲)/風月
演奏曲の「風月」は自作ということで楽しみにしていた。冒頭から聴き手を引きつけるインパクトがあり、途中シンコペーションや変拍子が効果的に挿入され、迫力の中にも変化のある感動的な演奏だった。
第48回茨城県新人演奏会
- 期日:2022年9月18日
- 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
演奏者
公開オーディション合格者16名
伊庭 優希(オーボエ)、小峰 由衣(フルート)、石澤 文太郎(トランペット)、古橋 明香里(ピアノ)、飛田 紗希(ヴァイオリン)、藤井 夕楓(ソプラノ)、佐伯 日菜子(ピアノ)、廣澤 芙々美(作曲)、長谷 由香(箏)、岡本 健太郎(オーボエ)、小川 明日香(サクソフォン)、梅津 和(ピアノ)、伊師 裕人(ヴァイオリン)、小林 恵(ソプラノ)、杉田 愛実(クラリネット)、原 万佑子(ピアノ)
受賞者
茨城県新人賞
杉田 愛実(クラリネット)
佐伯 日菜子(ピアノ)
奨励賞
長谷 由香(箏)
聴衆賞
伊師 裕人(ヴァイオリン)
講評 (茨城県新人演奏会選考委員副委員長 兼氏規雄)
茨城県新人賞:杉田 愛実
コープランド/クラリネット協奏曲
序奏は跳躍が多く、レガートが非常に難しい部分だが、彼女はそれを全く感じさせずに朗々と演奏していたのが印象的だった。それに続くカデンツァは少々停滞感こそあったが、その後は推進力を増し、ジャズ風のメロディーが会場全体に心地よく響き渡り、軽快感と躍動感溢れる圧巻の演奏だった。
茨城県新人賞:佐伯 日菜子
フランク(バウアー編)/前奏曲、フーガと変奏曲 作品18
音楽を全体として捉え、大河のように大きくゆったりした流れを感じ取ることのできる演奏だった。美しい音色は柔らかい上に幅広く響き、大きなホールにも十分順応していた。さらに高音域の響きをもう少し工夫すれば、より素晴しい演奏になると感じた。
奨励賞:長谷 由香
沢井忠夫/蘇る五つの歌
抜粋ではあったが曲の構成も考えられていて、モダン作品でありながら箏特有の音色や奏法を最大限に活かし、伸びやかでダイナミックな演奏だった。今後は古典への探求もより深めることで、さらなる躍進を期待したい。
第49回茨城県新人演奏会
- 期日:2023年9月24日
- 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
演奏者
公開オーディション合格者15名
吉田 千花(ピアノ)、吉野 友夏(フルート)、大林 輝美(ソプラノ)、宮本 菜摘(オーボエ)、稲田 愛渚(ピアノ)、木田 愛実(ホルン)、小林 日和(ヴァイオリン)、秋本 響子(ピアノ)、足立 有司(ドラムセット)、篠塚 裕太(トロンボーン)、久保野谷 聡子(ピアノ)、原田 梨沙(オーボエ)、関根 理紗(フルート)、杉山 なつみ(ホルン)、黄 在麒(バリトン)、井坂 美月(ピアノ)
受賞者
茨城県新人賞
小林 日和(ヴァイオリン)
奨励賞
黄 在麒(バリトン)
聴衆賞
小林 日和(ヴァイオリン※茨城県新人賞)
久保野谷 聡子(ピアノ)
講評 (茨城県新人演奏会選考委員副委員長 兼氏規雄)
茨城県新人賞:小林日和
ショスタコ-ヴィッチ/ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 作品77よりカデンツァ~第4楽章
カデンツァ冒頭からホールの隅々まで響き渡る美しい音色と集中力のある演奏で始まり、聴きながら彼女の音楽にどんどん引き込まれていくのがわかった。第4楽章もその流れを遮ることなく、さらに迫力を増した演奏だった。ボーイングの素晴らしさや正確な音程、ショスタコ-ヴィッチに合った音色等、どれを取っても秀でていて、6月の公開オーディションからこうも進歩するものなのかと驚かされた。
奨励賞:黄在麒
ドニゼッティ/歌劇《ポリウト》より“貴方は美しい女性だ”
声量、表現力とも素晴しく、バリトンではよくありがちな、低音で音楽が停滞するようなこともなく、絶えず前進していた。少々力みもあったかもしれないが、もう少しパッサージョに気を配ることができれば、さらに素晴しい演奏になるであろうと感じた。
第50回茨城県新人演奏会
- 期日:2024年9月29日
- 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
演奏者
公開オーディション合格者16名
荻 美波(フルート)、粟生 愛梨(クラリネット)、山田島 啓一(ピアノ)、杉山 なつみ(ホルン)、只木 結乃(トランペット)、大森 優華(コントラバス)、井坂 実樹(フルート)、薄井 美伽(ソプラノ)、小室 みゆき(箏)、桑原 愛朱美(サクソフォン)、大峰 真衣(ピアノ)、殿内 佐和子(ユーフォニアム)、小山 功起(フルート)、川股 由季(チューバ)、山中 優美(ピアノ)、高辻 瑶子(ヴァイオリン)
受賞者
茨城県新人賞
井坂 実樹(フルート)
高辻 瑶子(ヴァイオリン)
奨励賞
殿内 佐和子(ユーフォニアム)
聴衆賞
桑原 愛朱美(サクソフォン)
高辻 瑶子(ヴァイオリン※茨城県新人賞)
講評 (茨城県新人演奏会選考委員副委員長 兼氏規雄)
茨城県新人賞:井坂実樹
ニールセン/フルート協奏曲より第1楽章
音の切れ、音色、音量の3つが高次元でブレンドされた素晴しい演奏だった。フレーズ感も抜群で、音が消える瞬間まで丁寧さが伝わり、集中力も途切れることがなかった。音の分離も鮮やかで、すべての音がはっきりと聴こえていた。広いホールなので自分が感じているよりも大袈裟に歌ったり、音色の種類を多く持つことができれば、さらなる躍進を期待できると思う。
茨城県新人賞:高辻瑶子
ラヴェル/ツィガーヌ 作品76
冒頭の長いカデンツァは、ともすると停滞しがちだが、彼女の演奏は推進力があり、音色も美しかった。ピアノが入ってからは豊かな表情がさらに増し、最後の盛り上げなどは圧巻だった。特殊奏法が多い曲なので、その辺りを深掘りすると全体が引き締まると感じた。またピアノとの響きのバランスを考えると、立ち位置をもう少し下手側へ寄ると良いだろう。
奨励賞:殿内佐和子
アーバン/ヴェニスの謝肉祭による変奏曲
やわらかい音色で、変奏の細かい動きも素晴しく、会場の隅々まで音楽を運ぶ力強さを持っていた。ただ主要な音を強調するあまり、細かい音符の分離がはっきりしなかったので、それを克服できればより素晴しい演奏になると感じた。